知事のパワハラ・低見識が追い詰めた命

 今回の一件、そもそもの発端は、不審死を遂げたとされる西播磨県民局長(享年60)が今年3月12日火曜日、斎藤元彦知事の非違行為に関する「公益通報」書面をマスコミ等に送付したことでした。

 この事実を3月20日(水曜日、春分の日で祝日)に知った「被告発者」本人である斎藤元彦知事。

 普通の教育を受けてその内容を消化していれば、例えば村上誠一郎総務大臣が国会答弁でお見せになったような矜持の100分の1程度でも「恥」というものを知っていたら、必ず第三者機関に任せるはず。

 その「調査」をあろうことか被告自身で独占、告発者を死に至らしめる愚行に及んでしまいました。

 3月20日水曜から21、22日の木金、そして23、24の土日に、いずれも被告発者である「牛タン倶楽部*1」4人だけで「対処」してしまった。

*1=牛タン倶楽部とは宮城県に出向経験のある兵庫県庁幹部4人を指す。

 まず、示しを合わせる段階で「恥知らずの低見識」、クロだと自白しているのに等しい。

 あまつさえ、週明けの3月25日月曜には、「被告人」片山安孝副知事が朝一番で西播磨県民局長を「急襲」。

 予告なく襲い掛かって「事情聴取」のうえ、業務パソコンのみならず私物のUSBメモリーも略取してしまった。

 これまた凄まじい低見識、法のホの字だけにでも真の理解があれば恥ずかしくて決してできない、ヤクザの謀議もかくや、という「公務員失格」の行状に及びます。

 これはちょっと言い過ぎだろうと思われる方のためにご説明をしましょう。なぜ、そこまで言い切れるのか?

 なぜなら、元県民局長の告発状が弾劾していたのは「斎藤元知事」であり「片山副知事」であり、牛タン倶楽部のメンバーたちの非違行為が記されていたわけです。

 告発された本人、いわば「被告人」たちが示し合わせ、週明け早々に寝込みを襲うようにして公務パソコンのみならず、私物のUSBメモリーまで奪うなどとは、警察だって令状がなければできない仕儀です。

 片山副知事が働いたのは単なる「窃盗」泥棒にほかなりません。加えて述べれば、違法に得た「証拠」は裁判では証拠としての能力を失います。

 ただこれだけでも、相当に恥ずかしい。家族に説明がつきません。