「第2の創業期」に個性を磨く

 ドライブモードは、ノーマルとスポーツの2つで、スポーツモードでHonda S+ Shifitが連携して作動する仕組みだ。

 プレリュードほどは、音の演出度合いは大きくないが、クルマのキャラクターが変わることがはっきり分かる。

現行「ヴェゼル」に次世代小型e:HEVを搭載した試乗車(写真:筆者撮影)

 また、現行ヴェゼルとも乗り比べたが、加速時でのEVモードがより長く効き、また電動AWDシフテムの効果によってコーナー中のクルマの安定感が高まっている。また、ヘアピンでは回頭性が高まっていることを実感した。

 こうした小型、さらに中型の次世代e:HEVが、今後登場する各種モデルの個性を際立たせる方向でチューニングされることになる。

新型「プレリュード」プロトタイプの車内(写真:筆者撮影)

 前出の林氏は、ホンダの”あるべき姿”についてこう語る。

「ホンダは今まさに、第2の創業期と言っても過言でないチャレンジングなステージに立っている。だからこそ、この時代にホンダが(世間から)存在を期待される企業であり続けるためには、ハイブリッドにもこれまで以上に技術や商品の違い(を持たせ)、(ホンダにとっての)個性や独自性による高いブランドポジションの創造が必要だ」。

 今回の取材で、そうしたホンダの熱い想いを全身で感じることができた。

桃田 健史(ももた・けんじ)
日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなどのレースにレーサーとしても参戦。ビジネス誌や自動車雑誌での執筆のほか、テレビでレース中継番組の解説なども務める。著書に『エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?』『グーグル、アップルが自動車産業を乗っとる日』など。
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