政権崩壊の危険水域は何%pt?

<危険水域ではないが、予断を許さない状況>
 内閣支持率から不支持率を差し引いたスプレッドは、政権の安定性をみる上で1つの参考指標になる。

 過去をみると、スプレッドのマイナス幅が▲20%ptを超えた場合、マイナス幅が拡大傾向を辿り、そのまま退陣となるケースがほとんどだ。例外は小渕内閣に限られる。危険水域に入ると挽回が難しい。

 岸田前政権のスプレッドは、政治資金問題の影響で2023年11月以降に▲20%ptを超え、そのまま挽回することなく自民党総裁選を機に退陣へ至った。石破政権のスプレッドは、発足直後の2024年10月に+12%ptで、直近12月にゼロまで縮小。危険水域とはいえないものの、予断を許さない状況だ。

「内閣支持率-不支持率」のスプレッド推移
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夏の参院選を控え、春以降に政局?

 2025年の政治日程で最も重要なのは、夏に実施される第27回参議院議員通常選挙だ。通常国会の会期次第であるが、参院選は7月中に実施される可能性が高そうだ。参院選の帰趨により、政権の枠組みや安定性が大きく変わる可能性がある。

 ただ、石破政権の支持率が発足直後から低迷していることもあり、夏の参院選の前に政治情勢が不安定するか否かも注目される。

 政局があるとすれば、春以降だろう。3月までは、与野党とも2025年度当初予算案、税制改正法案の審議そして成立に注力するとみられる。参院選を控え、野党は政権担当能力を示すため、予算案等に対する十分な審議を求めつつも日程闘争などを避けるであろう。

 少数与党下であるものの、当初予算案、税制改正法案は年度内に成立する可能性が高そうだ。