4.弾道ミサイル基地視察での金正恩の指示

 金正恩氏は、前述のミサイル基地を視察して、何を指示したのか。

 朝鮮中央通信によると、金正恩氏はミサイル基地関連施設の機能、ミサイル部隊の臨戦態勢を点検した。

 特に、ミサイル基地の現代化・要塞化により、すべての基地が様々な状況の下でも、いつでも迅速に敵に戦略的反撃を加えられる対応態勢を維持することに万全を期することを強調したという。

 北朝鮮のミサイル部隊は、指示の内容と写真にあるように、逐次、臨戦態勢や反撃能力を高めていっているようだ。

5.ミサイルとその基地の開発・整備に邁進

 北朝鮮は、ウクライナ戦争を仕掛けているロシアに兵器と兵員で協力・支援している。

 そのことにより、北朝鮮はロシアの軍事工場となりつつあり、兵器生産能力を高めている。

 これらと併せて、北朝鮮はミサイルそのものとミサイルを運用する基地を着々と整備しているのである。

 北朝鮮は旧式の兵器を大量に保有しているが、開発を進めているものもある。

 北朝鮮が、兵器の面でも、それらを運用する基地の面でも、開発と整備を進め、大きな脅威になりつつある。

 我が国など北朝鮮の周辺諸国は、軍事的脅威というと、兵器だけに注目が集まるのだが、現実には北朝鮮が本気で戦える臨戦態勢や反撃能力を発揮できる態勢を逐次整備していることにも関心を持つべきであろう。

 北朝鮮が南侵できる能力を飛躍的に高めようとしている時に、韓国政権内部や国民は、その脅威に対する認識を忘れて、混乱しているようだ。

 隣の日本から見て、そういった意味からも不安になる。