証券会社やマネー誌が勧めない割安株の見つけ方
内田:2020年当時、株価が低迷していた神戸製鋼所を570円で1500株買い、2024年2月に2100円で売却しました。旧NISAを活用したので、約230万円の譲渡益は非課税です。
外食産業も、新型コロナウイルスによる業績不振の時に買った株があります。磯丸水産などを展開する「クリエイト・レストランツ・ホールディングス」を、2021~2023年に750~975円で4000株順次買い付けました。外食産業は、自社で展開する飲食店の食事券など株主優待も魅力です。2024年10月に1200円に値上がりした時点で、業績回復にめどがついたと判断し、3600株売却しました。400株は、株主優待を受けるため手元に残しています。
——まさに、割安株を逆張りで買っていますね。しかし、割安株がすべて良いというわけではないのですよね。
内田:自身でIR(投資家広報)資料を読んで、業績が元に戻る可能性がある株式のみ買っています。クリエイトについては、過去の業績がしっかりしています。約100年前に全世界で大流行したスペイン風邪が数年で終息したので、コロナも3年ほどで終息し、クリエイトの業績も戻ると判断したから安値圏で買いました。
今年10月にクリエイトの業績も株価もコロナ禍前に戻ったので、売却しました。「次の割安株」に乗り換える意味合いもありました。
経営基盤が盤石なのに、業績不振や不祥事で株価が低迷している企業を人間の身体に例えるならば、風邪や骨折で一時的に体調不良に陥っているだけです。順調にいけば、株価は、2~3年で1.5~2倍程度になります。
このような、問題のある割安株を勧める証券会社やマネー誌はほとんどありません。だから、自分で資料を読んだり、IR部署に問い合わせたりして、割安株のポテンシャルを見極めるのです。
一方で、現在業績が良い銘柄は、買いやすいのですが、既に業績が良いことが株価に織り込まれているので、更に大きく上昇するのは容易ではありません。株式投資で苦戦する一定数の方は、業績の良い割高な株を買っているのでは、と推測します。
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※本記事は特定の投資対象を推奨するものではなく、あくまで個人の投資経験を紹介するものです。実際の投資や売買に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。