「勃たない。ジャニーのケツですよ。勃ちます?」
平本:ある程度、勃起ができる、射精ができる。そういうことをまず確認していく。小学校の低学年だと難しくても、高学年になると、そういうことができるようになってくる。
ジャニーは手淫・口淫で、どこまで可能か確かめてくる。さらに、射精したものを飲むのが好きなのです。被害者が逃げずに耐えられるかどうかが一つのクリア基準でした。
小中学生では性行為の仕方が分からないけれど、高校生くらいになると、そういう知識も身に付いてくる。すると、今度は自分に挿入することを求めてくる。年齢、大きさ、硬さなどを確認した上で実践してくるのです。
ジャニーからしたら、「やってあげたからそっちもやってね」という感覚です。それがきつい。ここを乗り越えるのは大変で、そこで去ることを決める人は少なくありません。
まず物理的な問題ですよ。勃たない。ジャニーのケツですよ。勃ちます?
──相当に厳しいですね……。
平本:クリアした人はすごい。執念だよね。ここを越えないと、自分の希望や野望、そして努力も報われなくなる。
目の前にクリームが塗られたジャニーのケツがあって、「ユー、入れてよ」と言われる。恐ろしいですよ。「入れないと、あなた知らないわよ」という意味にも聞こえてくる。十代半ばの思春期の男の子が、そういうことを求められるのは地獄ですよ。
一方では、テレビや雑誌に出たり、ファンが応援してくれたりする。そういう華やかな面をリアルに感じている。メジャーデビューこそはしていないけれど、既に少しずついろんなものに出演して、声援を受けて、ファンレターやプレゼントをもらっている。
そして、友達や学校の同級生や親や親戚が、自分が出演したものを見て「すごいね」「やったね」と褒めて、「今度何に出るの?」とさらに次を期待してくる。メジャーデビューが近いのではないかと期待される。
そうした期待を背負いながら、しかし、苦しみや悩みの部分は口にできない。そんな状況を十代半ばの少年が背負うのです。この苦しさ、分からないでしょ。
──想像を絶しますね。