アマゾン、24年は750億ドル投じる計画

 グーグルの持ち株会社である米アルファベットの設備投資額は、24年7~9月期に131億ドル(約2兆円)と、前年同期比62%増加した。この金額は前四半期と同水準である。同社は25年も投資額を大幅に増やす考えだ。スンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は「AIへの投資が実を結び、消費者やパートナーが当社のAIツールの恩恵を受けている」と述べ、その有用性を強調した。

 24年7~9月期におけるアマゾンの設備投資額は、226億2000万ドル(約3兆4000億円)で、前年同期から81%増加した。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、この金額は四半期として過去最高となる。

 アマゾンは生成AIサービスの構築を推進するため、24年に約750億ドル(約11兆4100億円)を投じ、25年はさらに多額の設備投資を行う予定としている。アンディ・ジャシーCEOは決算説明会で、「需要が急速に増加すればするほど、データセンターやネットワーク機器、ハードウエアへの投資を急がなければならない。(当社は)それら全てにおいて先行投資している」と説明した。

半導体の供給制約というボトルネック

 一方、ロイター通信の記事は、半導体の供給制約がクラウドコンピューティングのキャパシティー拡大を一層困難にしていると指摘する。米エヌビディア(NVIDIA)をはじめとする半導体メーカーは、AIブームによる需要増に供給が追いつかない状況だ。AIクラウドのエコシステム(経済圏)において、半導体の供給制約がボトルネックになっているという現状がある。

 米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、AI半導体の需要が供給をはるかに上回っており、注文の急増に対応できない状況だと説明。25年にかけて需給が逼迫(ひっぱく)すると警告した。

「AIライフサイクルはまだ初期段階」

 こうした懸念があるものの、メタとマイクロソフトはAI技術のライフサイクル(開発、普及、成熟)はまだ初期段階にあるとし、この技術の長期的な可能性を強調している。

 メタのマーク・ザッカーバーグCEOは先の決算説明会で、「インフラの構築は、短期的には投資家が聞きたいことではないかもしれないが、ここには非常に大きなチャンスがある」とし、「私たちはこの分野に引き続き大規模な投資を行うつもりだ」と表明した。