米アマゾン・ドット・コムのクラウド事業、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、今後5年間で英国に80億ポンド(約1兆4800億円)を投資する計画を明らかにした。
欧州におけるクラウド拡大戦略
データセンターの建設・運営に資金を投じ、英国でのクラウドコンピューティングとAIインフラを整備・拡大する。この投資プロジェクトは、2028年末までに英国の国内総生産(GDP)に140億ポンド(約2兆5900億円)寄与し、年間平均1万4000人超の雇用創出が見込まれるとしている。
AWSの欧州・中東・アフリカ担当マネージングディレクターであるタヌジャ・ランデリー氏は米CNBC とのインタビューで、「英国の企業は、クラウドコンピューティングとAI(人工知能)技術を積極的に導入しており、英国政府が非常に野心的なデジタル計画を持っていることを認識している」と述べた。
ランデリー氏は、生成AIについて「おそらくクラウドやインターネット以来、最も変革的な技術だろう」と述べ、現在、様々な企業がこの新しいテクノロジーを試行している段階だと説明した。加えて、「企業が収益の向上と従業員の生産性の両面から生成AIを検討していることも分かった。これはご存知のとおり、非常に重要なことだが(生成AIは)同時に企業にグローバルな競争力をもたらす」と強調した。
AWSは英国において米マイロソフトや米グーグルと競合しており、今回の投資は同社の欧州における拡大戦略の一環となる。
英ロイター通信によると、AWSは24年5月、ドイツに78億ユーロ(約1兆2200億円)、スペインに157億ユーロ(約2兆4500億円)を投資すると発表していた(ロイター通信の記事1/ロイター通信の記事2)。