米アマゾン・ドット・コムのクラウド事業、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)がアジア地域への投資を拡大する。アマゾンのアンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)はAI(人工知能)分野の技術革新に注力しており、クラウドインフラへの投資を加速させている。
台湾に数十億米ドル投資
AWSはこのほど、今後15年間で台湾に数十億米ドル(数千億円)を投じ、データセンターを建設すると発表した。AWSのインフラ・リージョンを2025年初めまでに台湾で立ち上げ、台湾およびアジア太平洋地域におけるクラウドサービスへの高い需要に応えるという。
AWSインフラサービス担当副社長のプラサド・カリアナラマン氏は「台湾の新しいAWSリージョンにより、企業はコンピューティング、ストレージ、データベース、分析、機械学習(マシンラーニング)、AIなどのAWSテクノロジー活用し、アプリケーションを実行できるようになる」と説明した。
アマゾンによれば、台湾の新しいリージョンは3つのアベイラビリティーゾーン(AZ)で構成される。リージョンとは、複数のデータセンターを1つのまとまりとして管理・運用するエリアである。一方、アベイラビリティーゾーンは、リージョン内にあるさらに小さな単位でデータセンターを分けるエリア。同じリージョン内にありながら、独立した電力供給網や冷却設備などを備え、可用性と冗長性の向上を図っている。
「この新リージョンにより、台湾にコンテンツを保管したい顧客はそれが可能になる。開発者やスタートアップ、非営利団体のほか、教育・エンターテインメント・金融サービスといった企業・団体が台湾にあるデータセンターからエンドユーザーにサービスを提供できるようになる」とアマゾンは説明している。