ステアリングも加速も完成度は高い
スポーティなクルマの場合、ハンドルの切り出し直後からクルマがよく曲がるといったフィーリングになるよう、電動パワーステアリングとサスペンションとのマッチングを開発段階で調整することが少なくない。
CR-V e:FCEVはスポーティモデルではないが、クルマの基本性能「走る・曲がる・止まる」が背の高いSUVとしては極めて高いレベルにある。そのため、市街地や高速道路でもクイックなハンドリングをイメージしがちだが、実際にはそうではなかった。
次に、動力性能についても、アクセル操作に対してモーターが過度に反応することはなかった。動力系の制御では加速の緩やかな伸び感を重視しているため、市街地走行では扱いやすい。一方、高速道路への進入時には、ドライバーが心の余裕を持てる程度の十分な加速をする。
NVH(音・振動・路面からの突き上げ)についても、しっかり対応できていることを再確認した。北海道のテストコースと比べると路面からの振動が少ない今回の走行シーンでも、その性能を実感できた。
こうしたCR-V e:FCEVの走行性能は、10月上旬に栃木県内のホンダ関連施設で試乗した次世代EV「ホンダ0 (ゼロ)シリーズ」に通じるところがある。
CR-V e:FECVの運動性能を総括するエンジニアは「ホンダとしての走り味を統一するのは当然のこと」と説明する。
また、スポーツモードにした場合、スポーツカーを想定したような音の演出が入るが、わざとらしさはなく、自然に受け入れることができた。