早貴被告の話とは裏腹、周囲の人間は誰も感じていなかった「自殺」の兆候
そして社長の異変にも言及した。5月6日に愛犬イブが死ぬと、「死にたい」と口にするようになったというのだ。
「最初はかまってほしくて言っているんだろうなと思いましたが、泣きながら『死にたい』と言ったこともあり、だんだん本気だなと思い始めました」(早貴被告)
元従業員らは証人尋問で「自殺の前兆はなかった」と述べている。覚醒剤に続きこの点でも早貴被告が語る「紀州のドン・ファン像」は周囲が抱くそれとは異なっている。
吉田氏が言う。
「まず従業員たちの『早貴被告は野崎社長に対して冷たい』という証言は間違っていないと思います。早貴被告がドン・ファンを気遣うような素振りは、近くにいた者たちも一切見ていません。
また愛犬イブが亡くなった後にドン・ファンが『死にたい』発言をしたとのことですが、ドン・ファンには当時付き合い始めたばかりの女性『ミス・ワールド』と結婚したいと言っていたわけですから、『死にたい』と言うことは考えにくい。6月に行われる予定だったイブを偲ぶ会の成功に向けて張り切っていたのですから、早貴被告の作り話のように思えてなりません」