ソウルの地下道には至る所にホームレス

 まず「北出身」者に対する就職差別や賃金その他待遇格差などは、100%出てくることになるでしょう。

 さらに、あの異常な体制の中、命令絶対、密告その他も常態化しているであろう「北朝鮮の常識」で育ってきた人が、IT化、AI化の進んでいる韓国でどのような職種にどのような形で従事できるかと考えると・・・。

「南北統一は不可能」「別の国として存在した方が、お互い平和で幸せ」という、韓国若年層の本音は極めて妥当という以上に、結果的に未来をも見据えたものになっているように思わざるを得ません。

 昨晩、出先から宿まで地下鉄を使わず、歩いて戻ってみたのですが、横断歩道がない「ソウル駅」前の交差点を通過するのに、地下通路を通らざるを得ませんでした。

 日本でいうなら東京駅の「八重洲地下街」「丸の内地下通路」みたいなイメージですね。

 11月のソウルはすでに肌寒く、季節感は日本の晩秋~冬の体感温度ですが、地下道に入って行くと少し暖かく感じたのですが・・・。

昭和末期~平成初期の日本でよく見かけた風景。筆者の通ったコンコースだけで29人、その先にも同じような分布割合で、路上生活者が寒さをしのいでいた。11月11日、ソウル駅地下道にて

 日本ではしばらく前から見かけなくなった「路上生活者」が、ダンボール紙を敷いて横になっている場に出くわしました。

 韓国はIT化など、ハイテクノロジーを中心として既に日本より進んだ面も多くあると思います。

 しかし、社会福祉などの観点ではいまだ未解決の課題も山積している、その一例に期せずして直面したように思われました。

 こうした当時国の現状と無関係に、大国の政治家がパフォーマンス優先で外交をもて遊ぶようなことが許されるわけがありません。

 韓国の若者が直面する闇は、日本とは異なる、かなり先までおよそ見通せない深さを持つこと、痛感せざるを得ませんでした。