マタギが大切にしていること
そんなマタギ達が今も昔も変わらず一番大切にしていること。それらはすべて山神様が授けてくれたものだという考え方である。
対象が何であれ、現代とは違う価値観の中で、自分たちが生きながえるための場所として「山」があり、そこから授かる食料がなければ生きていくことは不可能に近かった。山神様という絶対的な存在の下に、人も含めた動植物がいるということは、つまりはそれらすべてが対等であり、捕食関係ではないということだ。
マタギが熊を仕留めた時、「ショウブ!」という勝ちどきを上げることからもそれはうかがえる。山の生き物たちの均衡を大切にしなければ、山は枯れ、人が住めなくなる。それは、この土地で暮らす人にとっては当然の考え方である。
マタギ勘定。授かった熊を平等に分ける
マタギ勘定
授かった熊を皆で食べる
山神様へのご挨拶に赴く
そして今、社会的に大きな問題として取り上げられている熊。昨年9月頃から始まった有害捕獲について、当初は1、2頭捕獲すれば終わるだろうと思っていたが、これほどまで立て続けに捕獲することになるとは思ってもみなかった。