クマ狂想曲は今年も起きるか?

 そして2024年春。毎年4月から5月にかけて行われる生態調査では、熊に出会うことはなかった。しかし、個体数は著しく減少しているが、熊の糞や足跡など、山に熊は少なからずいる。

 残雪の上に残された糞の匂いを嗅ぎ、その中身を調べ、ブナの混芽も今年は出ていることなども確認できた。いつも通りの熊の存在を感じ、安心し、しばらく糞から離れられなかった。

 秋田県内では昨秋同様、市街地への出没や人的被害などの事故もまだ見受けられたが、私の住む地域では数頭の目撃情報のみで被害などもなく、例年通りの落ち着きを取り戻した。

 初夏にかけては、桑や桜の実などが食べられているが、おそらく里に近いところに1頭だけ熊がいて、その個体がうろうろしているのだろう。秋にかけ奥山にも食べ物が出始めれば、この個体も移動する。

 ブナの実も例年通りなることが予想され、人にとっても熊にとっても安心して暮らせる年になりそうだ。

根子集落に伝わる国の重要無形民俗文化財の番楽。番楽とは、かつて修験道の山伏によって行われていた神楽根子集落に伝わる国の重要無形民俗文化財の番楽。番楽とは、かつて修験道の山伏によって行われていた神楽
根子番楽根子番楽
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