インターネットサービス・プロバイダーにも侵入

 米大統領選の投票日が近づく中、中国やロシア、イランのハッカーグループは動きを活発化させている。こうした脅威を軽減するために、米国政府各機関は同盟国や業界とも連携して民間通信セクター全体のサイバーセキュリティーを強化している。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(9月26日付)も「ソルト・タイフーン」がここ数カ月、機密情報を求めて米国のインターネットサービス・プロバイダーのいくつかに侵入したとスクープした。「ソルト・タイフーン」は中国当局とつながっているとみられる。

 ケーブルやブロードバンドのプロバイダーのインフラ内に足場を築き、通信事業者が保存するデータにアクセスしたり、サイバー攻撃を仕掛けたりする。ネット上のデータが通る経路を管理するシスコシステムズのルーターやマイクロソフトのシステムに不正アクセスした疑いがある。

 米国ではハッカーグループに気象現象にちなんだ名前をつけている。中国を拠点とするハッカーは「タイフーン(台風)」、イランによる活動は「サンドストーム(砂嵐)」、ロシアによる活動は「ブリザード(吹雪)」と呼ばれている。