2.まるで台湾を包囲するかのように発表

 東部戦区報道によると、10月14日、中国軍の東部戦区の演習に戦域陸軍、海軍、空軍、ロケット軍などが参加した。

 台湾海峡に対峙する部隊は、台湾島の南と東で船舶と航空機が多方向から台湾島に接近し、海空戦闘準備パトロール、重要な港湾と地域の閉鎖と制御に焦点を当てて行ったという。

 演習に設定した海域は、下の図のとおりである。

連合利剣2024B演習区域図

出典:中国軍東部戦区が発表したものを中国や台湾のメディアが掲載したもの。日本でも新聞やテレビで報道された

 中国軍東部戦区は、演習の写真も下図のとおり併せて公表した。

上:対艦巡航ミサイル(CJ-10)、下:早期警戒管制機(KJ-500)

出典:新華社通信『東部戦区軍が連合利剣2024B演習を開始』(2024.10.14)

 この中国の軍事作戦に関して、いくつかの疑問がある。

①1日だけで統合演習ができるのか、東部戦区司令部が統合できるか。

②設定した海域にどれほどの艦艇や軍用機が参加したか。

③戦争の場合、設定した海域で遊弋できるのか。

④台湾に対峙する部隊が船舶で接近するとしているが、1日で港に集結、乗船、海峡渡洋ができるのか。どれほどの部隊が参加したのか。揚陸艦が参加したのか。

⑤港湾と地域の閉鎖ができるのか。

⑥対艦巡航ミサイル(射程2000キロ)は、何を目標としているのか。

⑦爆撃機はどのような作戦を実施するのか。

⑦空母「遼寧」は、西太平洋に進出し米日海軍と戦えるか。