5 その他の漏水防止対策

 上記の方法で水位が上昇した時の基本的な防水対策はできるが、防水シートで覆った場所だけでなく、家屋に使われている下水管等のパイプを通じて増水した水が屋内に逆流することも考えておく必要がある。

 この対策として下水管の途中に流れを切り替える栓や逆止バルブ等を設け、数日間程度は家屋内で排出される汚水を下水槽に留め、水が引いた後、元の下水管に流す処置が必要である。

 屋根からの雨水も、雨樋で放出されるが一般的に壁に沿って外に流されるので、必要に応じて防水シートの外側に放出する切り替えが必要である。

 さらに、水が家屋の地下からも浸透して来る場合への備えとして、この浸入した水を水槽に集めてポンプで排水する必要がある。

6 まとめ

 本論は、思いつくまま家屋への浸水を防ぐ方法を論じてきたが、従来浸水被害を受けた方々がほぼ諦めていた気持ちを推察して何とか阻止できる方法はないかと考えたものである。

 しかし、決壊した水が濁流になり樹木等を巻き込みながら家屋を直撃して防水シートを破る様な場合の対策は別途考える必要がある。

 今後もいろいろな災害が発生すると思うが地道に問題に取り組みそれらから住民を守る方法を考える必要がある。

 今は素晴らしい技術の進歩で生み出された各種開発の恩恵を受けられる時代なので、多くの人の知恵を結集すれば従来「打つ手がない」と諦めていた災害への対処も可能になって来ると思う。

 この一案が被災して困った方々を救済する一助になればと願う。