4 防水シートの下部固定方法

 本提案は家屋に水を浸入させないことが目的であるが、そのため防水シートと下部基礎部分を密着させて水の浸入を食い止めることが重要だ。

 そのため、基礎部分でシートの固定と防水機能を備える工夫が必要である。

① 基礎部分にシートを効果的に固定するためファスナーまたは釘などを使う。

② さらにシートの下端はガムテープなどを張り付けて基礎部分と接合させる。

③ 基礎固定部は家屋の近傍に埋め込み、シートと接触する面は鏡面状の金属板を取り付けて両者を密着させる(図8)。

図8 防水シートの固定方法

④ 防水シートは家屋の壁上部から下に垂らして展張するが、その中間部分で壁との空隙が広くなると水圧で膨らんだシートには上下左右に強い張力が発生する。

 従って壁面との隙間を少なくしてシートとの接触面を多くすれば水の圧力を壁面に負担させることができる。

 このためシートには下部基礎部分から上部固定端まで適度な余長を持たせる必要がある(図9)。

図9:少し余裕を持たせてシートを張る

 この基礎固定部分は家屋の周辺を一巡するレールのように構築する必要がある。

 さらに展張するシートは横方向に少しずつ重ねて使用し、ガムテープなどで順次接着連結すると水漏れ防止効果がより高まる。

⑤ 本論ではシートに懸る圧力を家屋壁面に逃がすことを考えているが、水圧に耐える強度の低い(例えば)ガラス窓などには(板や鉄パイプ等の)補強材を両側の柱等に渡す処置が必要ある。

 空間が広い玄関や車庫など、人や車が出入りする入口には壁がないため、壁の代わりに可動式の鉄骨と網で作製した丈夫なガードを使って防水シートにかかる水圧を支える処置が必要である。