前人未踏の領域へと突き進む大谷翔平、否定的な意見は「批判」と目されやすい(C)GettyImages

 マネジメントの立場から、無用なトラブルや批判を避けたければ、すべてのクライアントに「解説の仕事では、ファンに耳障りな指摘をしないでください」と言えばいいのかもしれない。

 しかし、それではクライアントの「個」が埋没してしまう。信念を持って解説、評論をしているクライアントを尊重し、サポートすることが、マネジメントの役割だと考える。

 上原さんのコラムタイトルが「野球に正解はない!」とあるように、上原さんは、自らの考えを押しつけようとはしていない。視聴者や読者と意見や考えに食い違いがあることは当然であり、建設的な議論はSNSの魅力の一つだ。

 私自身はファンがいれば、「アンチ」と呼ばれる人がいるのも当然だと考える。反対意見はどんどん投稿してもらえればいいと思っている。

 ただ、最初からアンチという先入観を持って見られると、全てがそう捉えられ、SNSなどにより、悪循環に入っていく。

 また、誹謗中傷にだけは毅然とした対応をしていく。それはマネジメント会社としてクライアントを守るための大切な防衛手段だからだ。

 批判の声も多いが、支持する声も根強くある。玄人をうならせ、ライト層の関心も惹きつけていくような“真っ向勝負”の解説、評論を私も聞きたいし、読みたい。