IQ59だとはとても思えなかったワケ

 次男は普通にコミュニケーションをとることができ、日常生活に支障はない。一度通った道はほとんど覚えているし、前日の言いつけは、次の日にきちんと実行できる。しかし結果は結果なので、学校に提出する診断書をもらった。次の日に担任の先生に電話をして、個人面談をしてもらうことにした。

 今までも完全に放置してきたわけでは決してないが、次男にとって韓国の普通教育が、限界であることは筆者もわかっていた。前々から、2年生の過程をもう1年させようかとも考えていたので、担任と面談の時間を持つのはグッドタイミングだった。

 その当時の韓国の教育要領では、1、2年生でひとつのまとまりになっていて、3年生になるときに難易度がポンと上がるようになっていた。そして5年生になるときにまた難易度が上がる。

 筆者は担任の先生に、医者に養護学校に行くことを勧められたこと、来年3年生から何かしらのアクションを起こそうと考えていることを伝えた。

 担任の先生は非常に的確な対応をしてくれた。まずこの子を養護学校に送るべきではない、ということだけは確かな答えだった。

 そして、来年また2年生をやり直すのであれば、転校が必要になるかもしれないということだった。それは筆者も覚悟の上だった。同級生と下級生、今の子供たちの相関関係の中で2年生をやり直すことは、やはり難しいだろう。

 担任の先生が言うには、本人のことを考えると今の環境で対処するのがいいだろうし、教育環境の準備を模索できるはずだと言うのだ。

 通っている学校では、生後24カ月から保育園で同じクラスだった友達もいて、ある程度「この子(次男)はこういう子(ちょっと遅れた子)」という認識はされていて、「助けが必要な友達」という位置になっていたようなのだ。

 IQ59の診断書が小学校に渡って1週間後、次男は3年生から本人のレベルにあった個人授業を学校でしてもらうことが決まった。