(立花 志音:在韓ライター)
「お母さん、○○ちゃんが友達の男の子のことをつねったり、押したりしたみたいです。それも、話を聞いたら女の子3人くらいでやったようです。こちらで話を聞いて、相手にはきちんと謝らせて解決しましたが、家庭での指導が必要だと思ってお電話しました」
末娘が小学生に上がって落ち着いた5月、担任の先生から電話がかかって来た。
しかも、複数で一人の男の子を泣かせたということだ。なんということだ。
男の子を2人育てながら、トラブルも多少あったが、だいたいが「サレタ側」だった。そんな我が家に初めて「やった側」のお知らせが届いた。
その晩さっそく聞き取り調査に取り掛かった。娘の供述によると、友達に「やれ」と言われてやったのだという。我が家にもこのような問題が来たか、と鈍く重たいショックを受けた。
何人かで徒党を組んで友達に被害を加えることはしてはいけないことと、それを人のせいにすることは断じて許されないことだと、厳しく言って聞かせた。自分が反対の立場になった時のことを考えてみなさいと。
現在の韓国では「いい人」であることよりも「強い人」であることが正義だとされる。「いい人になること」よりも「いい大学に行くこと」を皆が望む。その後の人生も目的のためなら、手段を選んでる場合ではないという雰囲気が蔓延している韓国の競争社会である。
このような環境で、自分の教育哲学を貫くことには厳しい戦いを強いられる。
ここ数年の子育てのトレンドを見ると、韓国の教育ママたちの間で面白い移り変わりがあった。