現代の韓国人が日本に抱くイメージ

 競争に疲れた最近の韓国の若者には日本の音楽やドラマが人気らしい。

「イマドキこんないい人ばかりが出るドラマがあるのか。見てるだけで癒やされるかも」と形容されている様子を見かける。

 例えば、2年ほど前の「サイレント」というドラマが話題になった時がそうだった。あのいわゆるふわっとした感じが、殺伐とした韓国社会で揉まれている韓国人の若者にはヒーリングになっているようだ。

 我が家の長男の着メロも「森の小さなレストラン」という曲で、現代の韓国人にとって日本は追いつけ追い越せの羨望の対象ではなく、自分たちが失った何かがまだ残されている国というイメージになっているようだ。

 20年前「冬のソナタ」を筆頭とした第一次韓流ブームが来た時に、日本のおばさまたちは日本では見ることができなくなった懐かしさを求めて、ソウル観光に来ていた。

 韓国よりも先に日本の方が少子高齢化問題が話題になり、その当時はいつか韓国も日本のようになるだろうという新聞記事が多く出ていた。しかしこの20年間で状況は逆転した。

 この先は、韓国で起きていることが、いつか日本で起こるかもしれないと韓国を観察する時代が来るかもしれない。

20年前「冬のソナタ」を筆頭とした第一次韓流ブームが来た時に、日本人女性は日本では見ることができなくなった懐かしさを求めてソウル観光に来たが、今では日韓の状況は逆転している(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)20年前「冬のソナタ」を筆頭とした第一次韓流ブームが来た時に、日本人女性は日本では見ることができなくなった懐かしさを求めてソウル観光に来たが、今では日韓の状況は逆転している(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)

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立花 志音(たちばなしおん)
1977年生まれ 東洋英和女学院大学短期大学部キリスト教思想科卒業後、損保勤務を経てソウルに留学。2005年韓国で出会いの夫と結婚。現在2男1女を育てながら日本人が見る韓国をライターとして韓国内で活動中。