モディ首相(写真:ロイター/アフロ)

 インド政府は国内半導体産業の育成に力を注いでいる。今後2年以内にインド初の半導体製造事業が立ち上がると、同国の商工相は自信を示している。世界的な半導体メーカーである米エヌビディア(NVIDIA)や米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、米マイクロン・テクノロジーが同国への投資を拡大することを約束しているという。

26~27年に最初の半導体を供給

 米経済ニュース局のCNBCによれば、インドのピユーシュ・ゴヤル商工相は同局とのインタビューで「インドは2年以内に半導体製造を開始するだろう」と述べ、同国政府の取り組みが順調に進んでいることをアピールした。

 特に、マイクロンのCEO(最高経営責任者)との緊密な連携や、インドの大手財閥タタ・グループの参画など、具体的な動きを挙げて計画の進捗を説明した。エヌビディアやAMDなどもインドへの投資拡大を計画しており、同国半導体産業の将来性への期待が高まっているとした。

 その一方で、CNBCは「台湾積体電路製造(TSMC)や韓国サムスン電子といった、世界で最も先進的なチップを製造する企業の専門知識がなければ、インドが最先端の半導体を製造することは難しいだろう」とも報じている。

 インド政府は、半導体産業の育成を国家戦略の1つとして位置づけ、外国企業の誘致に力を注いでいる。モディ首相の下で米国企業からの投資を呼び込むゴヤル氏は、インドが2026~27年までに最初の半導体を供給できると自信を示している。

 米アップルのスマートフォン「iPhone」の製造拠点としてのインドの地位向上も、同氏の自信の支えになっているようだ。