(写真:ロイター/アフロ)

 中国の半導体受託生産最大手である中芯国際集成電路製造(SMIC)は現在、米国政府による先端半導体技術の輸出規制対象となっている。しかし、ここ数カ月、同社はこれまで見られてきたよりも高度な半導体を製造しているようだ。

より微細な5nm半導体を目指す

 同様にして、先端半導体製品の輸出規制を受けている中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は2023年、5G(第5世代移動通信システム)への接続機能と、7ナノメートル(nm)技術で製造された半導体を搭載したスマートフォン「Mate 60 Pro」を発売した。この半導体はSMICが製造したとみられている。

 7nmの製造プロセスは最先端技術ではないが、半導体業界では依然として高度な技術とみなされている。米国の制裁下にありながら、高度半導体を自国で製造できるその技術力に感心が集まっていた。

 英フィナンシャル・タイムズ(FT)は24年2月6日、SMICがファーウェイの新型スマホ用向けに、新たな半導体の製造ラインを組み立てていると報じた。その製造プロセスは5nmであり、米アップルの最新高価帯iPhoneに用いられている3nmに比べて劣るものの、SMICにとっては一層の進歩を意味すると指摘されている。

オランダASMLのEUV露光装置が不可欠

 7nmプロセスには、オランダの半導体製造装置大手ASMLが手がける極端紫外線(EUV)露光装置が必要になるといわれている。