ウーバーはGMクルーズとも提携

 自動運転技術への関心の高まりを受け、ウーバーや米リフトといった配車サービス大手は、自動運転車開発企業との提携を加速させている。ウーバーは24年8月、米ゼネラル・モーターズ傘下の米GMクルーズと提携したことも明らかにしていた。25年に米国の一部地域で、ウーバーの利用者がクルーズの自動運転車を呼べるようにする。

 ウーバーやリフトは自社アプリに自動運転タクシーを導入することで、ウェイモやGMクルーズが得る収益の一部を受け取ることができるほか、車両の開発に巨額を投じる必要がなくなる。一方、ウェイモやGMクルーズは、数千万人の顧客基盤を持つプラットフォームを活用し、新規顧客を獲得できる。ウーバーはかつて自動運転車の開発に数百万ドル(数億円)を投じていたが、20年に開発部門「アドバンスト・テクノロジーズ・グループ(ATG)」を売却した経緯がある。

ウェイモ、有料乗車件数が2倍に

 ウェイモが現在、自動運転技術による乗客輸送サービスを展開している都市は、米西部のサンフランシスコ及びロサンゼルス、そしてフェニックスである。サンフランシスコ都市圏では高速道路での走行試験を始めた。同社は24年8月、これら都市における利用客を2倍に増やすことに成功したと発表した。24年5月時点で週5万件だった有料乗車件数が、3カ月余りで同10万件に増えた。

 同月には自動運転システム「Waymo Driver」の第6世代を発表した。中国の電気自動車(EV)ブランド「Zeekr(ジーカー)」をベースに、搭載センサー(LiDAR、カメラ、レーダー)の数を減らすことで、コスト削減を図った。

 ウェイモは韓国・現代自動車とも提携した。現代自動車のEV「IONIQ(アイオニック)5」にWaymo Driverを搭載し、ウェイモの商用配車サービスである「Waymo One」の車両群に追加する。

 ウェイモは現在、約700台の車両を使ってWaymo Oneを運営している。これまでの約2380万キロメートル(地球595周に相当)に上る、乗客のみの走行において、事故を回避する能力が人間のドライバーに比べ3〜3.5倍優れていることが分かったとしている。