幼児精神科の医師が語った衝撃の言葉

 1年生の1年間は「聞く」読書と、文章を「書き写す」作業をさせた。韓国では「パダスギ」と呼ばれる、先生が読んだ文章を正しく書きとる学習が低学年の国語の基本になる。

 2年生の2学期になったときに次男がボソッと言った。

「ねえママ、なんで僕は勉強ができないのかな」

 来た、と思った。勉強ができるようになりたいかと筆者が聞くと、なりたいという。よし、本人がやる気になったのだ。行動開始である。

 調べてみると韓国では学習障害の入り口は「幼児精神科」の病院に行くしかなかったので、とりあえず行くことにしたら3カ月待ちだという。3カ月を待って、ようやく診察に行った。

 医者の話によると、難読症で文字が読めないのか、知能が低くて文字が読めないのか、それを判断するために知能テストをすると言うのでテストを受けた。するとそのテストの結果は、なんとIQ59だったのである。

 そして、知能指数59に合った、養護学校へ転校した方がいいと医者は言うのだ。知能指数59というのは、中度の知的障害に相当する数値である。(後半へ続く)

立花 志音(たちばなしおん)
1977年生まれ 東洋英和女学院大学短期大学部キリスト教思想科卒業後、損保勤務を経てソウルに留学。2005年韓国で出会いの夫と結婚。現在2男1女を育てながら日本人が見る韓国をライターとして韓国内で活動中。