4.国境に近いロシア領内から発射する理由
ロシアは、短距離弾道ミサイルのイスカンデル-Mや自爆型無人機シャヘド136を、なぜウクライナの国境に近い、あるいは戦闘の接触線に近いロシア領内から発射するのか。
イスカンデル-Mの場合、ポーランド近くのウクライナ要域を射撃するためには、そのミサイルの射程の範囲を超えており、国境線に近づかざるを得ない。
また、射程を短くすれば弾頭重量を重くすることができ、その分、爆薬を多く搭載できるようになる。
また、射撃距離を短くすることにより、飛翔時間が短くなり、ウクライナの防空ミサイルの対応を難しくするためでもある。
シャヘド136の場合、最大飛行距離は公表では1800~2500キロである。
その諸元が正確ならば、ウクライナからの攻撃を受けないために、国境線等よりもはるか遠くから発射してもよいはずなのだが、現実は国境等の近くから、またクリミアからも発射している。
その理由は、搭載爆薬を多くしたため弾頭重量が重くなり、飛行距離が短くなるからだ。
また、時速は200キロ以下でかなり遅い速度であり、ウクライナのレーダーに発見され撃墜されやすい。
飛行距離を短くして、ウクライナに発見されにくくしているのだ。