最低賃金は上昇しているが……(写真:Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート)最低賃金は上昇しているが……(写真:Nobuyuki_Yoshikawa/イメージマート)

 最近、おじさんが意外な場所で働く姿を見かける。給料が上がらない。本当に年金もらえるの? AIに仕事を奪われる……! 将来の不安から副業を始める中高年男性が増えているのだ。
 
 おじさんたちはどんな副業をしているのか、どれくらい稼いでいるのか、あるいはまったく稼げていないのか。組織をはみ出し、副業を始める全力おじさんの姿をより深くレポートする。(若月 澪子:フリーライター)

「受付嬢」は「受付おじさん」の時代?

 10月から最低賃金がちょっぴり上がる。東京都の最低賃金は、1113円から50円上昇の1163円になった。

 しかし「最低賃金上がったよ!」とヌカ喜びするほど、世の非正規労働者はバカではない。電気代は上がってる、米の値段も異常に上がってる。お上の温情(?)など焼け石に水だ。

 最低賃金の仕事は世の中にいろいろあるが、賃金というのは本当に需要と供給の上に成り立っているのだなと改めて感じている。

 つまり「こんなクソ安い時給で、こんな仕事誰もやらないよ」という仕事は最低賃金+αになるし、「最低賃金でもこの仕事を選ぶ人は必ずいる」という高飛車な仕事は、最賃のままだ。

 そんな「高飛車」な最低賃金の仕事に、「大学の受付や秘書」という仕事がある。「大学」というアカデミックな職場は、お品がよろしいので強気の低賃金でもギリギリ人が集まるらしい。ただし、こうした仕事はいわゆる「ハケン」がやる非正規労働だ。

「受付」「秘書」と言えば、大昔は「嫁入り前の女性がやる仕事」だった。しかし今、このポストにリタイアしたおじさんたちが参入しているのだ。