「まだまだこれから長期戦であり、ちゃぶ台返しをいつ中国がやってくるか知れない。まったく楽観視していない」

 ではなぜ、中国側は突然、日本に「光明」を与えるかのようなカードを切ってきたのか? 

深圳の事件とは無関係

 日本の一部メディアは、「18日に深圳で冒頭述べた痛ましい事件が起こったので、その話題をそらす目的で20日に日本に譲歩を見せた」と解説していた。

 私は、この見方はまったく違うと思う。なぜなら、水産物輸入再開の案件は、以前から日中間で詰めた話し合いを何度も行ってきたからだ。20日の中国外交部の会見でも、日本人記者に同じことを聞かれ、毛寧報道官は明確に否定した。

 実のところ、私のような長年の「中国ウォッチャー」から見れば、今回の中国側の行動は、「異例」である。