このインタビュー直後の5月7日、野崎氏の愛犬イブが亡くなっている。野崎氏は大いに悲嘆に暮れたが、この愛犬の死にも「覚せい剤が影響しているのではないか」との見方もあるが、捜査当局はこの件に対しては何も発表していない。

野崎幸助さんと元妻の須藤早貴被告、野崎氏の愛犬「イブ」=2017年12月(写真:吉田隆/共同通信イメージズ)
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離婚を恐れていた早貴被告

 吉田氏は紀州のドン・ファン事件で『紀州のドン・ファン殺害 「真犯人」の正体』(講談社+α文庫)を18年10月に上梓しているが、犯人については「不明」としている。

「状況的には早貴被告が“真っ黒”と言えますが、証拠がない段階で誰が犯人かを推測で書くことはできません。

 私は野崎氏から亡くなる5月24日、野崎氏から『是非とも会いたいので田辺市に来てくれませんか』と依頼されていました。それまで何度も頼まれ、そのたびに断っていたのですが、さすがに可哀そうに思えてきて『明日行きます』と返事をしたのです。野崎氏が亡くなったのはその後です。

 早貴被告が犯人だとすると、これが犯行のトリガー(引き金)になった可能性もあると思っています。

 つまり『吉田がやってきたら、野崎氏は吉田の援護射撃を得ながら離婚を切り出してくることは確実だ』と早貴被告は思い、犯行を実行に移したのではないかということです。