中国との関係めぐり米政府と対立

 マスクと米政府が本当に袂を分かったのは、中国をめぐってだった。

 ワシントンでは、2019年に上海で巨大なテスラ工場がオープンしたことは、未来の重要技術において常に中国の先を行く米国の目標にとって大きな後退と見なされた。

 中国は今、電気自動車(EV)の生産で世界をリードしており、米政府高官は中国メーカーがテスラから学び、時に技術を盗んだと考えている。

 バイデン政権は米国の有力テック企業に中国から事業を多角化するよう説得しようとしており、マスクがテスラ工場建設を視野に入れてインド訪問を計画していた時に勇気づけられた。

 だが、マスクは土壇場でインド訪問を中止し、その代わりに北京に姿を現した。

 中国では、テスラと中国との関係強化を発表した。上海工場は今、全世界で作られているテスラ車の半分以上を生産している。

 米政府高官らは、マスクの言論の自由の擁護と世界の首脳を侮辱する意思は中国には適用されないと指摘する。

 Xは長年中国で禁止されているが、マスクは中国の独裁的な指導者である習近平に細心の敬意を払っている。