SBIは米暗号資産ETFファンドと新会社

 だが、こうした暗号資産への投資の複雑さを解消しようという動きが出てきている。米国では、ビットコインやイーサリアムなど暗号資産を投資対象とするETF(上場投資信託)が登場している。

 米証券取引委員会(SEC)は、2024年1月、ビットコインを投資対象とする現物ETF11本を承認した。ブラックロックやフィデリティなど、世界大手のファンドが運用するものだ。その後、イーサリアムを投資対象とする現物ETFも承認し、米国では個人投資家も気軽に暗号資産へ投資できる環境が醸成されつつある。

 一方、日本では暗号資産を対象とするETFは認められていない。それでも、ETF解禁を見越した動きもある。

 SBIホールディングスは7月、米資産運用会社「フランクリン・テンプルトン」と合弁会社を設立すると発表した。フランクリン・テンプルトンは、米SECで上場が認められたビットコインETFやイーサリアムETFを運用している。合弁会社はSBIが51%、フランクリン・テンプルトンが49%を出資する。

 SBIホールディングスは「日本でも現物の暗号資産を組み入れたファンドやETFなどの提供が解禁される際は、既にフランクリン・テンプルトンが米国で培った商品組成力や運用力を活かした商品を日本の投資家に提供する」としている。

<ビットコインは2024年に入り最高値を更新>

出所:日本暗号資産取引業協会より作成
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 同社の傘下であるSBI証券も、「(米での暗号資産ETF解禁の)報道を受け、大変多くのお客さまより取り扱いリクエストをいただいております」として、日本で暗号資産ETFの取り扱いが認められ、届出などの手続きが確認でき次第、速やかに取り扱いの可否を検討する意向を示している。