デマその1:脳卒中説

 まず習近平の脳卒中説は紅二代の証言なるものが在外華人知識人たちの間で流れた。CCTVの三中全会報道で、習近平の写っている映像があまり取り上げられていないこと、閉幕日に閉幕式の中継がおこなわれず、またその日の夕方のCCTVの定時ニュースでも、閉幕式の映像が使われなかったことが、こうした噂の拡散に拍車をかけた。

 閉幕日の夜には習近平がきちんと出席している閉幕式映像が配信されており、一応、この噂は「デマだった」ということになったが、一部では「噂を打ち消すためにつくられたフェイク映像ではないか?」といった噂も広がった。習近平は脳動脈瘤、糖尿病、肝臓の病があるといった噂があり、会議中に習近平だけ2杯分の茶杯があるのは1杯が漢方の煎じ薬であるという、健康問題の「噂」は広がりやすい素地があった。

習近平国家主席だけ2杯分の茶杯がある(写真:新華社/アフロ)

 ただ、中国共産党指導者たちが受ける医療水準は世界最先端であることは間違いなく、脳動脈瘤や糖尿病などで執政不可能になるとは常識的には考えにくい。

 次に政変デマだ。