5.発言だけで何もできない日本でいいのか

 もしも、中国機が行ったように、日本の自衛隊機が中国の領空、例えば、上海舟山海域上空、渤海湾内の大連、山東半島の青島に接近すれば、中国軍はどのような対応をするだろうか。

①撃墜、②政府の指示によるデモ(官製デモ)を起こし、中国に進出している日本企業の建物が壊される事態になるだろう。

 日本の対応は、次のようである。

 内倉浩昭航空幕僚長は、次のように発言した。

「領空は国際法上、排他的な主権を持つものであり、他国は尊重する必要がある。領空侵犯は主権の重大な侵害であるだけでなく安全を脅かすものであり、全く受け入れることができない」

 木原稔防衛大臣は「防衛省・自衛隊による警戒・監視を含め、対応に万全を期していく」と発言。

 林芳正官房長官は「主権の重大な侵害であるだけでなく安全を脅かすもので、全く受け入れられない。極めて厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求めた」と発言。

 自民党の渡海紀三朗政調会長は「政府には引き続き毅然とした対応と国民の安全確保に万全を期すことを求めたい」と発言。

 自民党の藤井比早之外交部会長は「極めてゆゆしき事態で、断じて許されず、政府には毅然と対応してもらいたい」と発言。

 関係する責任者が、このように述べたが、結局は発言で終わるのが日本なのである。

 中国が、日本に何をしても結局、「全く受け入れることができない」と言うだけで終わりなのだ。

 この状態が続くと、日本の防衛は骨抜きにされてしまう。これで、日本の安全は守れるのだろうか。到底守れないだろう。