「中国はいかなる国の領空も侵入する意図はない」

 8月27日、木原稔防衛大臣は、会見でこの一件を問われ、眉をひそめて答えた。

「中国軍所属航空機による我が国領空の侵犯は、わが国の主権の重大な侵害であるだけではなく、安全を脅かすものであり、まったく受け入れることはできません。同日中に中国政府に対して、外交ルートで極めて厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求めたところです」

 だが続けて、こうも述べている。

「当該中国軍機の行動の意図・目的について、事柄の性質上、確たることをお答えすることは困難でございます」

 中国は一体、何を考えているのか? 27日の中国外交部定例会見で、仏AFPの記者が質問したが、林剣報道官はけむに巻いた。

「その指摘された件に関して、中国の関係部門がいま、関係する状況の実態の確認をしているところだ」

中国外交部の林剣報道官(写真:共同通信社)
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 その後、会見の最後に、NHK記者が再度質したら、こう答えた。

「中日の双方は、すでにあるルートを通じて連絡を取り合っている。私が強調したいのは、中国はいかなる国の領空も侵入する意図はないということだ」