中国での需要、2世代前の「HBM2E」に集中

 HBMには最先端品「HBM3E」、その前の「HBM3」、2世代前の「HBM2E」、3世代前の「HBM2」などがある。

 ロイター通信によれば、中国での需要は主に、2世代前のHBM2Eに集中している。ファーウェイはサムスン製HBM2Eを用い、AI半導体「昇騰(Ascend)を開発している。

 こうした中、中国のメモリーメーカーもHBMの生産で一定の進展を遂げているという。ファーウェイもメモリーを手がけており、現在同社や、半導体大手の長鑫存儲技術(CXMT)が3世代前のHBM2の開発に力を注いでいる。

米政府、対中輸出規制を強化

 しかしこれらの取り組みは、米国の新たな規制の影響を受ける可能性があるとロイター通信は伝えている。

 これに先立ちロイター通信は、米政府がまもなくHBM規制に関する新しい対中半導体輸出規制案を発表する見通しだと報じていた。新規制では、HBMへのアクセスを制限するためのパラメーターを規定するとみられる。米商務省はコメントを控えているが、先ごろの声明で「米国の国家安全保障と技術エコシステムを守るため、変化する脅威を継続的に評価し、輸出規制を更新している」と述べていた。

 今回の中国企業の動きは、米国をはじめとする西側諸国との貿易摩擦が激化する中、中国が自国の技術目標を達成するために準備を進めていることを示している。加えて、これらの緊張関係は中国市場への依存度が高いサムスンに大きな影響を及ぼす可能性があると指摘されている。