睡眠不足によるネガティブなリスク

 睡眠不足はよくないって言うけれど、実際にどんな影響があるのだろうか?

友野先生「大きく4方向にネガティブなアプローチがいくと言われています。1つ目が、“体への影響”。国内外の多くの研究により、様々な病気のリスクの上昇が明確に示されています。2つ目が“心への影響”。心の病気のリスクが顕著に増加することが分かっています。3つ目が“脳への影響”。集中力、注意力、判断力、感情のコントロール、コミュニケーション能力、クリエイティブ力・・・仕事に必要とされるような能力が全般的に低下します。長期的に見れば認知症のリスクも上がることも確認されています。4つ目が“行動への影響”。これは見過ごされがちですが、早退、欠勤、遅刻が増えたり、就業中にネットサーフィンをする時間の増加が見られます。ぼーっとしやすくなるんですよね。あとは社会的な引きこもりになりやすくなったり、子供であれば不登校のリスクが上昇するなど大きな影響が出てきます」

ベッキー「体、心、脳、行動って全部じゃん! 全部に悪影響があるから、寝ないといけないんだなって改めて思いました」

友野先生「そうなんです。起きている時間をよりよくするために我々は寝てるので、寝ないと日中の行動全てに影響が出るっていうことが言えます」

睡眠を取ると子供の学力が向上?

ベッキー「じゃあ逆に睡眠をしっかり取るとこんないいことありますよっていうのを教えてください」

友野先生「もうすべてが真逆です。体が健康になる、病気のリスクが下がる、心が元気になる。今、心のメンタル疾患がすごく注目されていますが、心を守る為には良い睡眠が絶対に必要不可欠です。あとは成績がいい子供ほどよく寝ているっていうことも分かっています。私の子供の同級生の中には週7日習い事をしている子もいますが、それ以上に睡眠時間を確保することが子供の成長や将来の学力、健康を約束することに繋がります。あと大人の場合はもちろん美容面ですね」

ベッキー「ですよね。睡眠をちゃんとしっかり取るようになってから、肌が変わりました」

友野先生「実は私は重度のアトピーだったんですよ。本当顔半分が真っ赤っかで。今はピアス普通につけてますけど、ピアスつけると耳が切れちゃったり、口紅をつけると皮が剥けたり。髪の毛も毎日洗ってるのに、抜けちゃうみたいな状態だったのを救ってくれたのは、やっぱり睡眠でした」

ベッキー「アトピーにも効果があるんですか?」

友野先生「アトピーに直接というより免疫力にアプローチがあります。睡眠力って免疫力なので、アレルギーのリスクを下げてくれたり、体の免疫力だけじゃなくて肌の免疫力がすごく強化されたのかなって思ってます」

理想の睡眠時間は7~9時間!それぞれのベストな時間帯で睡眠の確保を

友野先生「睡眠時間の理想的な長さには個人差ありますが、我々が参考にしているアメリカの国立睡眠財団が提唱している働き世代の理想の睡眠時間は、7~9時間と言われています。しかし9時間は現実的ではないので、7時間は目安として覚えておいていただきたいです。死亡率、病気のリスク、肥満率などの指標は、睡眠時間との関係においてU字型のグラフを描きます。つまり、睡眠時間が多すぎても少なすぎても、これらのリスクは高くなる傾向があります。なので多すぎず少なすぎない6~8時間ぐらいがキャパシティーかなと思います」

ベッキー「私はアラームをかけずに寝て7時間半後にぱって目が覚めることが多くて、それが1番自分の中で心地いいんです。なので7時間半寝るようにしてるんですが、先生は何時に寝て何時に起きてるんですか?」

友野先生「今子供を寝かしつけながら寝ちゃうので、20時には寝てます」

ベッキー「それで7時間っていうと、めっちゃ早く起きますよね?」

友野先生「早朝の3時、4時くらいに目が覚めます。それはそれで睡眠前進症候群みたいなのがあって、ちょっと前倒ししすぎちゃってるんですけど(笑)。ある時、早朝に起きて仕事を始めたら、子供たちが起きない、邪魔されない環境ですごく仕事や家事が捗ったのでここ1年くらいはこのルーティーンを維持してます」

ベッキー「お昼寝は取っているんですか?」

友野先生「お昼寝は取れてないんです。本当は取った方がいいんですけど、幼稚園が預かってくれる時間が短いのでなかなか」

ベッキー「3時起きはびっくりですけど、確かに誰にも邪魔されずに仕事に集中できるっていうのはめちゃめちゃいいことかもしれない! みんなそれぞれの時間帯で睡眠を確保できたらいいですよね!」