そのかれらが蛇蝎のごとく嫌った日本を旅する。こういう言い方もどうかと思うが、おもしろくないわけがないのだ。
洗脳が解けて自由になることの喜び
現代でここまで洗脳が実効的なのは、情報を完全に遮断している金正恩の北朝鮮くらいであろう。戦前の日本で、天皇に身命を捧げた皇国少年がいたのとおなじである。
情報が統制されているという意味では、北朝鮮ほどではないだろうが、プーチンのロシアも習近平の中国もおなじようなものであろう。いまだに反米、反日教育がなされているはずだが、新聞やテレビの特派員から、そのような情報は伝わってこない。下手なことを報じると、国外追放になるから書けないのだろうが、それでは特派員の意味がない。
折しも、トランプ前米大統領が現在、被告として4件の訴訟事案を抱えている。現実的に進行しているのは、不倫口止め料不正事件だけで、残りの3件の公判は延期されている。
その進行や結果がどうなるということよりも、この件でアンケートをとった結果、トランプが有罪になっても支持を変えないという米国民が80%いるということだ。
かれらはトランプの思想と行動に洗脳されているわけではない。が、いったんこうと思いこんだ人間の脳はここまで硬い。
現代でも巨額の寄付をして社会問題化した新興宗教問題がある。その信者たちも子どもの頃から洗脳されたわけではない。大人でも容易に洗脳されるということだ。洗脳されなくても、自分で思い込むことによって、思考が固定するということもある。
かれら脱北者の動画を見ていると、洗脳されることの恐ろしさはともかく、洗脳が解けて自由になることの喜びがより多く感じられる。オモニ親子はそんな凄惨な体験をしてきたということが感じられないほど、わたしたちが忘れている自由を満喫しているのである。
脱北者や韓国女子(おばさんたちも含む)たちが日本を心から楽しんでいる姿を見ると(芝居をしているとは思えない)、こちらも楽しくなる。
かれらの反応を見ていると逆に韓国の状況が見えてくることもある。日本の空気がきれいだという。クラクションを鳴らすことが少ない。ラーメン好き。アサヒビール好き。居酒屋好き。海鮮好き。グミ好き。半熟卵に生臭さがない。
カラオケやダイソー、ハイチュウ、ポッキーは韓国でできたものだと思っていた、というのはご愛嬌である。