写真はイメージです(出所:Pixabay)

 若手社員はなぜ会社を辞めるのか? 入社して数年で、あるいは30代前後で転職を経験した人たちを、元新聞記者のライター、韓光勲氏と小山美砂氏がリレー執筆の形で紹介する連載「若手が会社を辞めるとき」。「若手社員が辞める理由」と「辞めた若手社員はどこへ行ったのか」を明らかにしていく。(JBpress)

(韓光勲:ライター、社会学研究者)

「無職です! 病気退職しました!」

 友人からメッセージが送られてきた。僕が「退職や転職を経験した人に話を聞きたい」とSNS上に投稿すると返信をくれたのだ。

 メッセージをくれた27歳女性の春香さん(仮名)は秋田県出身。北陸地方の美大に通い、ポスターやウェブデザイン、ブックデザインを学んだ。

 春香さんは大学時代、就職活動はしなかった。「就活をしている人たちは自分を偽って、好きでもない仕事をやりたいと言っているように感じた」と語る。大学4年時の2018年12月、まだ卒業前だったが必要な単位は取っていたので、新潟を出て上京することに。フリーランスになることを目指し、仕事依頼サイトでコンペに応募したこともあったが、未経験のため採用はされなかった。