7月23日、兵庫県庁で、4月20日に逝去されながら、3か月以上も「生死不明」となっていた総務課長職の「訃報」が、ようやく庁内のイントラネットに掲載されたとの報道がありました。
それを追うように知事もその事実を認めたようです。
「H総務課長」と報じられるこの方は、渡瀬康英局長の「告発文」中「6 優勝パレードの陰で」として、
阪神・オリックス優勝のパレードを担当した(県民生活局・総務)課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気休暇中。しかし、上司の●●●は何処吹く風のマイペースで知事の機嫌取りに勤しんでいる。
と抗議があった方(享年53)。
うつ病で休職中であるので、人事の異動があるなら「総務部付」などとなるのが通常であるにもかかわらず、なぜか4月1日付で休職のまま県の外郭団体出向に異動。
そして出向先に勤務することなく4月20日に自ら命を絶たれ、その事実を県が一貫して認めようとしなかった、という異常な事態です。
この「生死不明」の時期、実際には亡くなっていることが明らかなので、県庁内で弔慰金や、遺児への育英募金を集めようとしたところ、「やめろ」という圧力まで県幹部からかけられたとも報じられており、兵庫県はもう、滅茶苦茶としか言いようがありません。
実際には自ら命を絶った後、3か月にもわたって県が「死亡の事実」そのものを「認めず」(?)労務災害から退職金まで、様々な出納が滞る・・・?。
こんなことが21世紀の日本の官公庁で許されるはずがありません。しかし、そういうことが現実に起きていた。なぜか?
端的に言えば、自殺したH課長は「県内企業への便宜供与」の見返りに「キックバック協賛金集め」という不法行為を、公務として図らずも担当させられたからです。
勤続30年来、まじめに、瑕疵のないように勤め上げてきた公務員が、上からの指示で不法行為を強要され、自責の念や、トカゲのしっぽ切りで自分だけ悪者にされ、刑事被告人に貶められるなどしたら・・・。
家族、子供にも肩身の狭い思いをさせなければならない、といった状況にメンタルを追い込まれれば・・・。
かつて「森友学園」への国有地売却をめぐって、財務省の公文書改竄を上司に強要されて自死した、近畿財務局の赤木俊夫氏(享年54)のケースと、ほとんど同一の構造であることがよく分かります。
兵庫県で現在発生している問題は「パワハラ」などという生易しいものではなく、組織ぐるみの不正行為と、その隠蔽にまつわる不当な人事や処分であって、パワーハラスメントは末端の末端、しっぽの先程度の問題に過ぎません。