(つげ のり子:放送作家、皇室ライター)
佳子さまのお相手選びがあちこちで報じられている背景
日本国憲法24条1項には、結婚についてこう規定されている。
「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」
つまり、結婚したいと願う二人の合意さえあれば、それを邪魔するものなど法的には存在しないのだ。しかし現実はと言うと、仕事や年収から導き出された将来性について、まず双方の親からいろいろ意見が出る。さらに家柄だの家風だのと持ち出されることもあるだろう。
多くの場合、それはある種の通過儀礼であって、最終的には大抵、祝福されて幸せな結婚に至るわけであるが、やはり昔ながらの価値観に固執して、頑固に反対の立場をとる親御さんがいないわけではない。
今、秋篠宮ご夫妻の次女・佳子さまのお相手選びが、あちこちで報じられている。
真偽のほどはさておき、噂となったお相手は旧薩摩藩藩主島津家の傍流にあたる家柄の方で、旧大名家にして明治維新後には公爵に叙せられ、華族の中でもトップクラスにあった家系だ。
戦後、華族制度は廃止されたが、現在も旧華族の当主とその長男(20歳以上)が入会できる、「霞会館」という親睦団体が存在している。
皇室とのゆかりも深く、皇嗣の地位にある秋篠宮家の佳子さまのご結婚相手には、旧華族につながる家柄の方が良いと、周囲の関係者(特定するのは困難だが)らが考えたとしても不思議ではない。
なぜなら、秋篠宮さまが長女・眞子さんの結婚の折に、「(過去に)類例を見ない結婚」と称し、暗にもろ手を挙げて賛成した結婚ではなかったことをうかがわせていたからだ。次に佳子さまが結婚されるとしたら、周囲の誰もが納得し、国民からも祝福を受けるものでなくてはならないと、暗黙の了承事項が出来上がっているからなのだろう。