メタは、Facebook、Instagram、対話アプリの「WhatsApp」にAIアシスタント機能を導入しているが、これは現在、米国などの13カ国に限定されており、欧州では利用できない。

 こうした中、オーストリア・ウィーンに拠点を置く非営利プライバシー保護団体「noyb」がメタのプライバシーポリシー変更に猛反発している。英ロイター通信によると、noybは24年6月初旬、メタがユーザーの同意を得ずに個人情報を利用できるように動いているとし、欧州11カ国のデータ保護当局に差し止めを求めた。11カ国とは、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、アイルランド、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペインである。

 noybは、「メタの自社規則変更により、過去何年もの個人的投稿や私的画像、オンライン追跡データが勝手に使われてしまう」と批判。「通知では不十分だ。ユーザーから事前に同意を得る必要がある」(noyb)と強調した。

メタ、noybの批判に反論

 これに対しメタは「欧州ユーザーの公開コンテンツでモデルを学習しなければ、AIは重要な地域言語、文化、ソーシャルメディアのトレンドを正確に理解することができない」と反論している。

 欧州の言語、地理、文化的な背景や判断基準をより正確に反映するためには、ユーザーの公開データが不可欠だと説明している。

 メタのプライバシーポリシー担当グローバルエンゲージメント・ディレクターであるステファノ・フラッタ氏は「欧州の豊かな文化、社会、歴史的貢献を反映していないAIモデルは、欧州の人々にとって不利益になる」と強調している。