米IBMと米メタはこのほど、AI(人工知能)の開発や利用を促進するための新たな団体を設立したと発表した。
誰でも自由に利用・改変できる「オープンソース」により、生成AIの開発を加速させるとしている。50以上の企業や研究機関などが参加しており、日本からもソニーグループやソフトバンクの生成AI開発子会社SB Intuitionsなどが参加した。
IT大手、半導体大手、東大、慶大も参加
団体の名称は「AI Alliance(AIアライアンス)」。米オラクルや米デル・テクノロジーズなどのIT(情報技術)大手や、半導体大手の米インテルと米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も加わった。研究機関では米コーネル大学や米カリフォルニア大学バークレー校などのほか、東京大学や慶応義塾大学も参加した。
一方で、対話型サービス「Chat(チャット)GPT」を手がける米オープンAIや同社と資本・業務提携する米マイクロソフト(MS)、生成AIブームで需要が高まるGPU(画像処理半導体)で注目される米エヌビディア(NVIDIA)は参加していない。
オープンAIやMSに対抗か
オープンAIなどの企業は技術の詳細を開示していない、主にクローズドな独自システムとして開発して成功を収めている。米ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、AI Alliance参加企業の多くは、オープンAIやマイクロソフトのように注目を集めていない。新団体はオープン型という異なる開発手法で、この2社やエヌビディアなどに対抗する狙いもあるとみられている。
IBMのアービンド・クリシュナCEO(最高経営責任者)は「オープンなエコシステム(生態系)により、安全性、説明責任、科学的厳密性に裏打ちされた革新的なAIに向けた取り組みを推進する」と述べた。