平和サミットは世界的に反ロシア包囲網を固める試み

「クレムリンは平和サミットについて世界的に反ロシア包囲網を固める試みとみなして、これを阻止する決意を固めている。プーチンの和平案は本質的にウクライナの降伏を要求しており、ゼレンスキー大統領を排除するものだ」(スタノバヤ上級研究員)

 ウクライナがドネツク、ルハンスク、ザポリージャ、ヘルソン4州とクリミアを放棄して中立を宣言、ウクライナ民族主義者(反ロシア勢力)が権力の座に就かないことを約束すれば、戦争を終結させるとプーチンは提案している。ゼレンスキー大統領が絶対にのめるはずがない提案だ。

「プーチンは長い間、幅を持たせるため要求の内容を明確にするのを避けてきた。今回、要求を発表したことで逆に今後の交渉の可能性を複雑にしてしまった。ウクライナが要求をすぐに受け入れるとロシア国民が本気で思っているかは疑わしい」(スタノバヤ上級研究員)

 ウクライナから強力な反撃があればプーチンは攻撃を中止するかもしれない。プーチンは腹の中で、大きな軍事力を投入することなくウクライナを降伏させ、ゼレンスキー大統領が退陣に追い込まれる状況を作り出したいと考えているとスタノバヤ上級研究員はみる。