日本も宣戦布告、グーグルに初の行政処分

 政府はゴールデンウィーク入り直前の4月26日、「スマホ特定ソフトウエア競争促進法案」を閣議決定しました。開会中の国会に法案を上程し、今国会で成立させたい意向です。では、法案の内容と狙いはどうなっているのでしょうか。

 さまざまな買い物だけでなく、各種手続き、金融機関との取引、検索、動画視聴など多種多様なスマホの機能は日常生活に不可欠な存在となりました。スマホのOS(基本ソフト)はグーグルの「アンドロイド」とアップルの「iOS」の寡占状態です。両社は、アプリ制作企業に数々の制限を設けており、これが正当な競争を阻害して使用料を高止まりさせていると考えられてきました。

公正取引委員会は、広告に関するヤフーとの取引をめぐりグーグルに対して初の行政処分を実施した(写真:共同通信社)

 この法案には、アップルのアプリストア「App Store」の他社への開放、グーグル検索による自社サービスの上位表示の禁止、アプリ配信企業に対する不当な契約の禁止などが盛り込まれています。違反した場合、公正取引委員会が国内売上高の20%の課徴金を科す仕組みです。違反企業への課徴金は従来、売上高の6%でしたから、これまでに例のない高額を科すことになります。

 また、法案の閣議決定に先立っては、ヤフーの事業活動を不当に制限したとして、公正取引委員会はグーグルに対して初の行政処分を実施しました。市場をゆがめるIT企業は許さないという強い姿勢を示したものです。