離党した県議の妻は維新所属の衆院議員
維新を離れてさっぱりした人もいれば、複雑な状況の人もいる。前出の林隆一県議がそうだろう。
林県議の妻・林佑美氏は、維新所属で和歌山一区選出の衆議院議員なのだ。
和歌山県知事選に出馬するため衆議院議員を辞職した岸本周平氏の議席を争う補欠選挙に市議会議員を辞職して立候補し、昨年4月に当選している。夫婦そろって維新の会の公認を受けて、妻が衆院議員、夫は県議会議員になっていたのである。
ところが、昨年10月の騒動で夫の隆一氏は離党せざるを得なくなった。一方、妻の佑美氏は現在も維新の会所属の衆院議員として国会で活躍中だ。
「夫婦仲はいたって良好です。私としては処分について全く不満がありますが、仮に県総支部の執行部を訴えても、妻が和歌山維新の会の代表になる可能性もあり、そうなると結果的には夫婦で裁判を争うことになりかねないので、ここは訴えをやめることにしています」(林隆一県議)
夫である林隆一県議は胸中を次のように明らかにした。
「私としては維新の会への賛同者を増やす気持ちで活動を頑張ってきたつもりでした。妻も昨年春の補欠選挙で市議から衆院議員になって議席を確保しています。さあ、これからと思っていたのに、些細なことで離党勧告というのは全く寝耳に水で、私の事を狙い撃ちにしたとしか思えません。党の執行部でも寄付をしていない者がいるのにその責任は追及されず、私一人が狙い撃ちにされたのです。考えられる理由は、私が維新の会に対し堂々と意見を言っていたのが煙たかったのではないかということです。私は党にとって有益な意見と信じて発言してきましたが、執行部は私の存在が邪魔だったのかも知れません。
維新の会の馬場代表とは旧知の仲ですので、今回の件を善処して欲しいとも連絡をしましたが、『処分に関しては総支部に一任しているので口出しができない組織となっているから』と断られました」