サッカーU23日本代表が、AFC U23アジアカップ兼パリ五輪アジア最終予選において、2016年以来の2回目の優勝を飾った。日本時間の5月4日の深夜、中東カタールで行われたウズベキスタンとの決勝戦で1-0と辛勝したのだ。パリ五輪の出場権は決勝進出を決めた時点で確定しており、これで女子のなでしこジャパンと揃っての五輪出場となる。
日本代表はグループリーグで韓国に敗れるなど、苦しい局面もあったが、念願のオリンピック8大会連続出場を決めた。ファンにとってはありがたい結果だが、選手にとってはここから始まるのが五輪代表招集枠の18人を巡る競争だ。U23アジアカップは23人が招集されていた。五輪ではオーバーエイジ枠の3人分を含め18人だ。それを考慮すると、アジアカップのメンバーの中から最低でも5人は枠から漏れる可能性がある。
そこで、U23アジアカップでの戦いぶりを振り返りながら、パリ五輪の代表選手を予想してみたいと思う。
まずはU23アジアカップでの戦いぶりから。日本は4月16日からの予選リーグに臨んだ。4チームが4組に分かれ、勝ち点上位の2チームが決勝トーナメントに進めるレギュレーションであり、日本は中国・UAE・韓国と同じ組に入った。
中国戦での痛すぎるレッドカード
この試合、開始直後から攻勢をかけた日本は試合をコントロールする上々の滑り出しを見せた。前半9分、右に入った山田楓喜からのセンタリングに松木玖生がゴール前に飛び出してボレーシュートを決めてまずは1-0。このまま中国に対し点を積み重ねる予感がしていたのだが、17分にボールに絡まない部分で主審の笛が鳴り響いた。
それは、DF西尾隆矢が絡んできた中国選手の顔面をヒジで打ったというVARからの報告によるものだった。ビデオで確認した主審の判断はレッドカードの一発退場だった。西尾自身は数えきれないほど試合を経験しているのだから、このような対応をすればイエローやレッドカードが出ることは予想できたであろう。
そこで肘を振ってしまい、レッドカードをもらうハメになるとは、余りにも稚拙な行為であったと言える。五輪出場枠をかけた大会の初戦ということを考えればなおさらだ。精神的な未熟さを印象付けるような結果を生んでしまった。