ウズベキスタンは強かった

 決勝の相手はウズベキスタンだった。

 2年前にU21のカテゴリーで対戦した日本とウズベキスタンの試合は2-0でウズベキスタンが快勝している。当時のメンバーの中には藤田チマなど今回選ばれている選手も多く、雪辱を果たしたい気持ちを持って決勝戦に臨んだはずだ。

 が、試合開始からボールを支配したのはウズベキスタンであった。日本は前半20分ごろまで手も足も出ない状況が続く。日本は細谷真大をトップに置き、佐藤恵允と藤尾翔太がフォローする布陣だったが、ウズベキスタンのチェックが厳しく、中盤の松木・山本、そして藤田チマが自由にボールをコントロールできない試合展開となってしまう。

 そんな中でも27分、敵陣に攻め入って佐藤がフリーでペナルティーエリアの外からシュートをする大きなチャンスを作るも、ボールは相手ディフェンダーに当たってゴールを大きく外れてしまう。佐藤はチャンスを作り出すことはできるのだが、ここ一番の決定力が少々弱いように感じてしまった。

 相手優勢ながら前半は何とか0-0でしのいだ日本代表は後半になってやっとパスが回り出すが、何度かチャンスは作っても得点には至らず、試合時間は過ぎていく。

 そしてアディショナルタイムが11分と表示されたころだ。敵ボールをカットした高井幸大から藤田チマにヒールパスが渡り、そこからパスをもらった荒木がすぐさまヒールパスで山田にボールを通す。山田はワンタッチ後にペナルティーエリアから左足を振り抜き、見事に先取点をもぎ取った。

5月3日、AFC U23 アジアカップ決勝のウズベキスタン戦で先制点を決めた山田楓喜(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

「これでなんとかなる」と思ったのもつかの間、日本陣に攻め入ったウズベキスタンのセンタリングを相手選手と競り合った関根大輝の右腕にボールが当たってしまう。VAR判定の結果、これがPKとなってしまう。