健康寿命は自分次第

 さらに注目すべきは、単なる平均寿命ではなく、健康寿命でしょう。健康寿命、すなわち「健康状態で生活できると期待できる平均期間」を示す指標です。実際、これは平均寿命よりも短く、2019(令和元)年で男性が72.68歳、女性が75.38歳です(厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」より)。

 ご存じの通り、個人差が大きく、決して平等ではないのが健康寿命の特徴です。ですが逆にいえば、自分の知識と努力次第で、いかようにでも延ばせる寿命でもあるわけです。

 要は、平均寿命も、健康寿命も、現行の数字が生物学的に定められたものではないということです。ゆえに、いくつになっても健康に生きる手段を、科学的な見地から開拓することに意義があるのです。

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