マイダン(独立広場)でウクライナ国旗をまとい、無数の旗を見つめる女性マイダン(独立広場)でウクライナ国旗をまとい、無数の旗を見つめる女性

ウクライナではロシアによる侵攻が始まってすでに2年が経過した。これまでウクライナを支援してきた欧米諸国などの「支援疲れ」も指摘されるが、首都キーウにあるマイダン(独立広場)を訪れると、戦争が継続していることを強く実感させられる。芝生には戦死者の数だけ国旗が飾られており、その旗は2年経過した今、数えきれないほどになった。ゼレンスキー大統領の2月の会見では、ウクライナ側の死者は約3万1000人と発表されたが、実際にはもっと多いとの見方もある。今回は首都キーウの様子を写真でお伝えする。(写真はすべて筆者撮影)

(小峯 弘四郎:カメラマン)

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芝を埋め尽くす国旗の数が意味すること

 2022年5月初旬、筆者が最初にウクライナを訪れた時のキーウのマイダン(独立広場)。脇の芝生に戦死者の旗が飾られ始めたタイミングで、この時はまだ旗の数も数えられる程度だった。

 それが2024年2月にはこうなる。

 ロシアの侵攻が始まってから約2年、無数の旗が芝生を覆い尽くすように変わった。死傷者数に関してはウクライナ・ロシア両国ともに国家機密として取り扱われているが、米政府はウクライナ軍7万人、ロシア軍は最大で12万人との見方を示している。

 独立広場の奥にかかっている橋には、支援をしてくれた国々への感謝を示すために各国の国旗が飾られている。

 昨年までキーウ中心部では、前線で破壊したロシアの車輛や戦車を展示していた。多くの人がそれを見物しに来て、ちょっとした“観光名所”のようになっていた。現在では数台の車輛のみが置かれているだけだ。

 キーウ中心部の広場に立つオリガ王女の像(中央)には防弾ベスト。2022年にはロシアのミサイル攻撃からの被害を防ごうと、土嚢と板で周りをすべて囲われていた。2023年春にはキーウの対空システムが整ったため外されたそうだ。